<アレルゲン舌下免疫療法>
スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療法のひとつに、アレルゲン免疫療法があります。アレルゲン免疫療法は、100年以上も前から行われている治療法です。主には、アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていますが、近年では治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅で服用できるようになりました。
「舌下免疫療法」は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された患者さんが保険診療で治療を受けることができます。
期待できる効果
長期にわたり、正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる効果が期待できます。症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。
副作用
【軽い副作用】
- 口の中の副作用(口内炎や舌の下の腫れ、口の中の腫れ、かゆみ、不快感など)
- 唇の腫れ
- 咽喉(のど)のかゆみ、刺激感、不快感
- 耳のかゆみ
- 頭痛
など
【重篤な副作用】
アナフィラキシー
理論上あり得る副作用で、報告されたことは皆無に等しいです。医薬品などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、蕁麻疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)がみられるなど
治療までの検査
治療を始める前に、医師の問診と抗原検査により、原因を特定することが大切です。医師の問診では、症状の出る時期やその程度、他のアレルギーの病気はあるかなどを確認し、アレルギー性鼻炎か、その他の疾患かを判断します。さらに、「血清抗体検査」または「皮膚反応テスト」のいずれかの抗原検査でアレルゲンを特定します。当院では血液検査にて原因とされるアレルゲンを特定していきます。検査結果後、それを基に「スギ」もしくは「ダニ」によるアレルギーであることを確認します。
※他院で行った検査結果があれば、その結果をご持参いただければ治療開始できます。
治療開始時期
・スギ花粉症:6月~12月であれば治療が開始できます。
※スギ花粉が飛んでいる時期はアレルゲンに対する体の反応性が過敏になっているため、
スギ花粉が飛んでいる時期は治療を新たに開始することはできません。
・ダニアレルギー性鼻炎:時期に関わらず治療は始められます。
治療期間
3~5年治療をすると向こう8年その効果が持続します。
その間、月に一度程度の定期的な受診し副作用などがないかチェックが必要です。
費用
初回時のお支払いは初診料・検査料(アレルゲン検査MAST36を含む全身状態のチェックを行います)等を含み、医療保険で三割負担の方で概ね10,000円程度です。
それ以降月一度の通院にて、舌下免疫療法の治療薬を処方してまいります。その際は三割負担の方で概ね3,000円程度です。