頭痛診療の第一歩は『頭の中に問題がないことの確認』から始まります
頭痛はみなが経験する症状です。頭痛と一言で言っても、種類も多数あります。頭痛を起こす怖い病気の代表的なものにはくも膜下出血や脳腫瘍などがあります。
安易に頭痛だろうといって痛み止めや抗不安薬(デパスなど)を処方されていて、頭痛の原因が脳腫瘍だったらどうでしょうか?また、くも膜下出血だったらどうなっていたでしょうか?
生命を脅かすような頭痛ではないか、、脳に何か異常なところがないか、、を確認することが頭痛診療のはじめの一歩です。脳を調べるのにはMRI検査が最適です。
MRIは被ばくする事もなく、CT検査以上の高解像度が得られ、質的な診断が可能です。(下の図、左側がCT検査、右側がMRI検査)得られる情報の違いがお分かりかと思います。
当院の頭痛治療方針
頭痛診療の第一はまず頭蓋内病変の検索から始まります。恩田メディカルプラザでは頭部MRIにて精密検査を行います。脳の画像をもとに的確に診断し、患者さまそれぞれに合った治療計画を一緒に検討し立ててまいります。外科的治療が必要であれば連携医療機関へご紹介・搬送いたします。
新型コロナウイルス感染症と頭痛
新型コロナウイルス感染症でも頭痛という症状があります*。そのため、新型コロナウイルス感染症を否定する必要がありますので、PCR検査と抗原検査を行わせていただいております。
検査に係る費用に関しては現在保険診療で自己負担金が発生いたします。
*引用:新型コロナウイルス感染症診療の手引き7.1
当院での今までの症例
Case ①:70代 女性
元来頭痛で近医で痛み止めを処方されていた。 その際には頭部の検査はされたことがなかった。 当院受診時、頭痛が治らないということと、置いたものが分からなくなる、怒りっぽくなった、動きがゆっくりになったということで来院されました。
【前医での処方】リリカ 75㎎,サインバルタ40㎎,ガバペン 300㎎,セレコックス 200㎎,リボトリール0.5㎎
【当院での経過】
当院にて頭部MRI検査を施行したところ右大脳半球に広範囲に浮腫を伴う脳腫瘍を認めました。 →大学病院へ紹介し、専門的な治療を開始することとなった。
Case②:40代 男性
今まで頭痛がなく生活されていた。トレーニングをハードにやった後から頭痛を自覚されました。頭痛は対症療法の内服薬を飲んでも効果がなく、徐々に悪化し、起きることもままならない状態になり受診されました。
【当院での診療】
頭部MRI検査を行ったところ両側に急性硬膜下血腫を認めました。 →総合病院の脳外科に連絡し、救急搬送となりました。その後検査の結果、髄液漏(ずいえきろう)により生じた急性硬膜下血腫と診断されました。 幸い、診断と対処が早く手術は必要なくブラッドパッチを行うのみで治癒したそうです。 一般的にはこのようなケースで、もっと血液量が多い場合は両側を開頭をし、止血とともに、血種を除去する大手術になります。 もしこのまま鎮痛薬を飲み続けて経過を見られていたら、気づいたときには意識障害を起こしたり、けいれんを起こしたりして気づかれ救急搬送となり、先ほど述べたように両側開頭血種除去を緊急で行われていたでしょう。このように、
✖「頭痛→医者にかかる→頭痛薬をもらう」
だけではないのです。このようにされていて生じたケースが①です。望ましい受診行動としては、
◎「頭痛→脳神経外科専門医や頭痛専門医にかかる→画像検査にて頭の中に何もない→頭痛薬をもらう」
が望ましいと考えています。
画像検査も前に述べた通り、被爆せずに、詳細な情報を得られる1.5テスラ以上のMRIでの撮影が望ましいです。1.5テスラ以下のMRIを取っていたにも関わらず、比較的大きめな脳動脈瘤を見落とされ、当院に来た際には気づかれるといったケースも多々あります。(Case③:準備中)